コンピューターの覇権 2018 12 8

 コンピューターの頭脳というと、
「CPU(中央演算装置)」を連想しますが、
これからの時代は、「SoC」(System-on-a-chip)が主流となります。
(「SoC 2018 11 24」を参照)
 CPUの時代は、「インテル(intel)の時代」と言われましたが、
SoCの時代は、「ファーウェイ(HUAWEI)の時代」になる可能性があるのです。
つまり、主役交代の可能性があるのです。
それほどまでにファーウェイのSoCは優れているのです。
(「Kirin 2018 11 23」を参照)
 これからの時代は、「IoT」というように、
あらゆるものにチップ(集積回路)が搭載されます。
 これは、電子機器だけでなく、機械どころか、
身の回りの日用品にまでチップが搭載されるでしょう。
そうなると、チップを制する者が世界を制すると言ってもよいでしょう。
(映画好きの人ならば、「ターミネーター」を連想するかもしれません)
 もちろん、日用品にまでSoCが搭載されることはないでしょう。
もっと単純なチップが搭載されることになります。
しかし、「チップの洪水」の中で、SoCが重要な役割を果たすでしょう。
 もちろん、SoCを作っているのは、ファーウェイだけではありません。
サムスンのSoCやアップルのSoCもあります。
 しかし、ファーウェイの最新のSoCが、
サムスンやアップルを上回った可能性があり、
開発中のSoCは、その可能性が確実なものとなるでしょう。
 一方、今の時代は、「AI(人工知能)」の時代です。
かつて、AIは、「夢の技術」と言われていましたが、
今は、「現実の技術」となっています。
 どうして、「夢」から「現実」になったかというと、
人類が「GPU」の別の効能に気づいてしまったからです。
 「GPU」とは、パソコンで、3次元ゲームを楽しむために、
ひたすら進化を遂げてきましたが、
このGPUが、人工知能の頭脳になるということに気づいたのです。
これが、人工知能の「ブレークスルー」となりました。
(「GPUの時代 2017 7 17」を参照)
 私の個人的な感想では、
アメリカは、SoCもAIも、「出遅れた」という印象があります。
 さて、コンピューター好きの私は、何を考えているのか。
実は、「生物的なCPU」を考えたことがあります。
人間の「DNA」は、意外にも丈夫な「素材」です。
これは、部品に使えるほど丈夫です。
つまり、電気を使わない「生物的なCPU」です。
 現代文明は、あまりにも電気に依存しています。
電気や電子を遠隔から完璧にコントロールできる技術ができたら、
現代文明は滅びてしまうかもしれません。

SoC 2018 11 24
 今までの時代は、コンピューターの頭脳は、
「CPU」(中央演算装置)という言葉が使われていましたが、
これからの時代は、「SoC」という言葉がキーワードになります。
 「SoC」とは、「System-on-a-chip」の略語です。
「スマートフォンのCPU」という言い方のほうがわかりやすいのですが、
この言い方では不正確となります。
 なぜかというと、パソコンの内部構造を考えればよいのです。
パソコンは、外側の収納ケースの中には、マザーボードがあります。
 このマザーボードには、CPUやGPU(グラフィック・チップ)、メモリ、
通信用のチップが装着されているのです。
マザーボードにも、いろいろな制御用のチップが搭載されています。
 ところが、スマートフォンは、パソコンに比べて小さいうえに、
スマートフォンの半分以上が電池で占められているのです。
 そうなると、限られた場所に、
マザーボードのチップ、CPU、GPU、メモリ、通信用のチップを、
別々に搭載することは不可能です。
 そこで、外見上は、CPUに見えるチップに、
マザーボードのチップ、CPU、GPU、メモリ、通信用のチップを詰め込んだものが、
「SoC」(System-on-a-chip)となります。
 つまり、パソコンの頭脳は「CPU」、
スマートフォンの頭脳は「SoC」と覚えればよいとなりますが、
これからの時代は、「SoC」が中心になってきます。
 なぜかというと、これからの時代は、
「IoT」と言って、万物がインターネットに接続される時代です。
すべてのものにチップが搭載され、インターネットに接続されます。
 しかし、電化製品などの「すべてのもの」には、
チップを搭載する場所が限られています。
そうなると、やはり、「SoC」方式になると思います。
 スマートフォンと「IoT」が主流になってくると、
「CPU」という言葉は、あまり使われなくなってくるでしょう。
 もちろん、「SoC」方式にもデメリットはありますが、
チップの集積度が高くなれば、
パソコンの頭脳も、「SoC」方式になるかもしれません。
 中国のファーウェイの最新鋭の「SoC」は、大注目です。
アップルの「SoC」やサムスンの「SoC」を上回るでしょう。
つまり、コンピューターは、中国の時代となるかもしれません。

Kirin 2018 11 23 Labor Thanksgiving Day
 かつて、中国製品と言えば、
日本製品の模造品、アメリカ製品の模造品でしたが、
今や、品質が伴うようになりました。
 それが民生品だったら、
消費者の利益となり、歓迎するところですが、
最近は、中国製の兵器にも、そういう現象が現れていて、
日本としては、危機感を持つことになります。
 2018年11月23日の読売新聞には、このような記事があります。
「軍民融合」とは、民間企業の軍事分野への参入、
軍需企業の持つ技術の民生利用の両方を指す。
(引用、以上)
 中国製品の品質の向上は、驚異的です。
かつて、ファーウェイのスマートフォンが日本市場に参入した時は、
多くの日本人は、「安かろう悪かろう」と思ったでしょうが、
今や、ファーウェイ製品は、品質や性能がアップル製品に迫るものがあり、
タブレットに至っては、今後、
ファーウェイ製品が主流になるのではないかという出来栄えです。
 私が気になるのは、ファーウェイ製品に搭載されるCPU(SoC)である、
「Kirin」というプロセッサー(チップ)です。
 これは、クアルコムやアップルのプロセッサー(SoC)を上回る可能性があります。
やがて、パソコン用のCPU分野でも、インテルを超えていくかもしれません。
 コンピューターの頭脳であるプロセッサーにおいて、
「Kirin」が世界を制することになったら、大変なことです。
 私としては、情報収集や分析をしたいところですが、
いかんせん、「Kirin」については、資料も情報もないという状況です。
 ファーウェイは、優秀な企業であることは間違いありませんが、
人民解放軍や中国共産党との関係が気になります。
 中国において、このような組織と全く関係がないと言える企業はありません。
新興企業のうちは、自由自在に活動できても、
巨大化すると、共産党支配下になるという法則があるでしょう。
 何年か前、中国がクアルコムの買収を考えているという噂がありましたが、
もう、そういう必要はなくなったと言えるでしょう。
 「Kirin」は、何度も「ブレークスルー」があったと推定しています。
非常に短期間で、クアルコムやアップルのプロセッサーを上回った可能性があります。
 問題は、こうした「ブレークスルー」の原動力は、どこにあるのか。
アメリカからも日本からも、技術は流出していないはずです。
中国において、突如として起こる「ブレークスルー」が気になります。

GPUの時代 2017 7 17 Marine Day
「まさかゲーム部品がAIの主役になるなんて」
 GPUとは、パソコンのCPUと似ていますが、
全く別のものです。
CPUは、日本語に直せば、中央演算処理装置です。
 話せば長くなりますが、
順番に、時系列に書いていきます。
 パソコンで、計算やワープロをしている時は、
CPUで十分だったのです。
 ところが、パソコンでゲームや動画を楽しむようになると、
CPUに大きな負担がかかるようになったのです。
 そこで、CPUは、計算処理に専念して、
画像処理は、画像処理専門の半導体に担当させるようになったのです。
その半導体が、Graphics Processing Unit(GPU)です。
 昔は、パソコンでゲームや動画を楽しみたい愛好家は、
競い合うように、NVIDIAなどのGPU(グラフィック・ボード)を買い求めたものでした。
 一時期は、パソコン愛好家は、CPUの性能に熱狂していましたが、
そのうち、CPUではなく、GPUの性能に熱狂するようになったのです。
 強力なGPUがあれば、3Dゲームや動画が、
鮮明に、あるいは滑らかに表現できるからです。
 そういうわけで、いつの間にか、
パソコン愛好家の間では、CPUの時代から、GPUの時代になったのです。
 ところが、今や、AIコンピューターにも、
CPUではなく、GPUが使われるようになったのです。
 AIコンピューターでゲームをするのか。
いや、違います。
GPUがAIコンピューターに最適だとわかったのです。
 本来、画像処理用に作られたGPUが、
機械学習やディープラーニングで象徴されるAIコンピューターの心臓部に最適だとわかったのです。
 そういうわけで、NVIDIAは、
ゲーム部品の会社から、AIコンピューターの主役になったのです。
 つまり、時代は、CPUコンピューティングではなく、
GPUコンピューティングの時代になったのです。
 このままでは、コンピューティングの主役は、GPUであり、
CPUはオマケのような存在になってしまうかもしれません。
 さて、CPUとGPUの構造的な違いは、コアの数です。
一般的なCPUでは、コアの数が4から8ぐらいだと思いますが、
GPUにおいては、数千になります。
 もちろん、こんなにコアが多いと、大きな熱を発生させます。
そういうわけで、CPUよりも、GPUの方が熱の発生量は大きいのです。
 そもそも、GPUは、3Dゲームや動画を楽しむために開発された専用半導体であり、
CPUのように、何でもできる汎用の半導体ではありませんでした。
 ところが、GPUが高性能化してくると、
汎用という分野でも、最初から汎用に設計されたCPUを上回るようになり、
GPUが、CPUのような仕事も引き受けるようになったのです。
これを「GPGPU(General-purpose computing on GPU)」と言います。



































































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